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減塩はどこまで必要?②

前回(減塩はどこまで必要?①)の続き

 

ハワイ在住の私の友人が面白いことを言っていました。

彼女の御主人は血圧が高く、徹底した減塩にすると血圧が落ち着くのです。

なのでいろいろと試行錯誤した挙句、彼女が極力塩を使わないように彼の食事を三食、全部手作りにして、管理をしています。

実はその彼は(彼女もですが)凄く大きな事業をしていて、バリバリと仕事をこなしています。

通常は、塩を減らすと力が入らなくなるのですが、彼の場合は減塩をしながらも仕事もこなして、血圧も安定しているそうです。

日本に滞在するときも料理旅館などには、あらかじめ塩を使わないようにリクエストしておくそうです。

2人で一緒に『アメリカ本土のドクターがしている健康になるための食事療法』をかねた何日間のステイをしたとき、もともと低血圧タイプの彼女は血液検査をすると「あなたは逆にもう少し塩をとった方がいい」と言われたそうです。

実際、彼女の場合は塩をとるようにしたら調子が良くなったそうです。

それを聞いて、ひょっとして、人によってナトリウムの必要量が違うのかもと思いました。

全て私たちの体は、神経伝達物質やミネラルなどが分泌され、それを感知する受動体(レセプター)が感知して作用が成立するようになっています。

彼の場合はナトリウムに対する感受性が高く、少量のナトリウムでも充分なのかもしれません。

なので摂り過ぎると高血圧になる。

 

ナトリウムはどちらかというと、冬や寒い北の地方のイメージで熱を放出させない働きをもっています。

交感神経をアップさせて、体液の水を保持させるために尿も出にくくなります。

 

 

反対にカリウムは夏や暑い南の地方のイメージで、放熱させる働きをもっています。

副交感神経をアップさせて、弛緩・膨張をさせるので、体液を捨てるので尿も出やすくなります。

なので暑い夏はトマト、キュウリ、スイカなどのカリウムを多く含んだ野菜果物をとることで体から熱を逃がし、涼しくなるようにしているのです。

それに対してナトリウム系は、寒い地方の人たちほどよく摂るのは、体をぎゅっと収縮させて熱をのがさないようにしているからです。

このように季節や気象に応じて塩の必要量は変わるし、また個人の体質に応じてかわるものです。

また、本物の塩をとるのは言うに及ばすです。

嗜好(甘いもの、塩辛いもの、アルコール、煙草、ギャンブルなど)は意外と脳が中毒を起こしやすかったり依存しやすく、脳が勝手に誤った反応をしてしまうことがあるので振りまわされず、本当の(正しい)身体の声を聴ける体づくりがとても大切ですね。


著者紹介

松本有記(まつもと ゆき)
松本 有記
(まつもと ゆき)

松本有記クリニック院長
自身が何十年にわたる体調不良に悩まされ、健康を追及していくなかで、東洋医学と出会い、オリジナルのオーダーメイド漢方薬、サプリメント、メディカルストレッチなど、全て自身が効果を実際に体感し、結果を出すことをモットーに、独自の治療スタイルを確立。生活習慣から姿勢指導、心のもち方まで幅広い角度からの診療を行っている。京都薬科大学卒業、神戸大学医学部卒業、兵庫医科大学病院(皮膚科/内科)、県立尼崎病院東洋医学科(非常勤)、尼崎永仁会病院漢方専門外来、松本有記クリニック院長

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