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季節の過ごし方

冬と睡眠①~腎を健康に保ち元気ある毎日を~

雪の中から芽吹く花のつぼみ
雪の中から芽吹く花のつぼみ

今年の冬は暖冬なので、寒がりの私は暮らしやすさを実感しています。節分をこえると暦の上では春で、いよいよ2020年庚子の年の始まりとなります。

陰から陽へ季節が移り変わる時

日照時間も12月の頃に比べて長くなってきて、17時を過ぎてもまだ明るいので12月冬至の陰の極みから陽の方へ変化しているのが分かります。といっても体感的には2月が寒さのピークですが…。

外が寒い分、暖かいお布団に入ってぬくぬくできる幸せをより感じてしまいます。 冬は日の出が遅く、気温も低いため、朝は特にシーンとした静寂に包まれています。なので良く眠れるのです。(それにひきかえ夏は鳥が朝早くからさえずり、セミが鳴き、木々も光合成に忙しくザワザワとさわがしくなかなかゆっくり寝ていられません。)

老化は腎から 腎を健康にするということ

暗く寒い、ということはエネルギー的には低く(活動的でなく)、静=陰、動かない即ち=眠る時なのです。 動物も“冬眠”です。カエルも熊も蛇も…たぶん他の動物や昆虫、植物も…冬眠が象徴しているように、冬は活動を停止して眠る時なのです。

実際2000年前の古典書「内経素問」に「冬は早く寝て遅く起きましょう」とあり、それが自然の摂理に順じていて生命を永らえることになります。また漢方的には冬は腎が旺ずる時です。

腎は精を司り、まさにわたしたち生命活動の土台(木に例えると根っこ)にあたります。腎がしっかりしている人の身体は壮健です。「老化は腎から」という言葉があるように、老いてくると腎が弱ります。

ベッドで寝る2匹の犬

 

良質の眠りでエネルギーを蓄えましょう

腎を良い状態でキープするには、休養、即ち良質の睡眠をたっぷりとることが必要です。睡眠不足が重なると、睡眠負債がかさみ土台である腎が弱くなるため、元気そうに見えても「空元気」で病気になりやすくなったり治りにくくなります。さらに腎は冷えを嫌いますので暖かくして眠ることも大切です。 冬の過ごし方が悪ければ、春に体調を崩すとも言われています。まさに冬は夜、春は朝なので、夜ゆっくり眠らなければ朝スッキリ起きることができないのと同じです。

睡眠の時間を削って不摂生していると、内にエネルギーの充電ができていないため、木の芽立ちの春に外に向かってエネルギーを出していくことができない(枝を伸ばして新芽を出すためには、内にエネルギーを貯蔵している必要があります。)のと同様、不調をきたしてくるのです。

次回は、衰えゆく「眠る力」についてお話します。


著者紹介

松本有記(まつもと ゆき)
松本 有記
(まつもと ゆき)

松本有記クリニック院長
自身が何十年にわたる体調不良に悩まされ、健康を追及していくなかで、東洋医学と出会い、オリジナルのオーダーメイド漢方薬、サプリメント、メディカルストレッチなど、全て自身が効果を実際に体感し、結果を出すことをモットーに、独自の治療スタイルを確立。生活習慣から姿勢指導、心のもち方まで幅広い角度からの診療を行っている。京都薬科大学卒業、神戸大学医学部卒業、兵庫医科大学病院(皮膚科/内科)、県立尼崎病院東洋医学科(非常勤)、尼崎永仁会病院漢方専門外来、松本有記クリニック院長
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