台風19号、集中豪雨…お見舞い申し上げます
昨年の西日本の災害も大変なものでしたが、今年は、関東、甲信越、東北など、台風15号、19号、20号による被害の上、追い打ちをかけるかのような集中豪雨が続いています。
道路の冠水、住まいや店舗などへの浸水、人命にまで至る被害も多く、たくさんの方々が大変な思いをされていると思います。
また、農家の方々にとっては、季節もちょうど秋の収穫期と相まり、多くの収穫物が失われてしまったとのこと、これもまたさぞかし無念に感じられていると思います。リンゴなども今まさに収穫と言う時に…。
台風19号に関して言えば、東京都心には意外とまだ被害が少なかったのは、地下に設けられていた巨大な放水路(首都圏外郭放水路)の存在が大きかったとも言われています。(今回の台風19号では、およそ4日間でこの首都圏外郭放水路が東京ドーム約9個分もの排水を担った…とも)
横浜ではラグビーの試合が行われましたが、それは会場横の公園の一部が、”遊水池”として一段土地を低くしてあったことが功を奏した、とも指摘されています。
多くの場合、河川では川下のほうが人口密集地帯が多く、そこで洪水となると被害がより甚大になるので、あえてやや川上の方で一度水をさばいて、川の水量を調整したりして、川下の方を守ることもあるとか…
それは致し方ないのかもしれませんが、これだけ”想定外”が増えてきているので、せめて洪水がよく起きているエリアでは、遊水池などを設置して水をそこへ誘導するなど、もう2度と甚大な被害を起こさせないための抜本的対策が望まれますね。
一度、家具や建具など泥水に浸かると、洗っても中々とれず、廃棄するしかないものも多いと…。
その片付けにかかる途方もないエネルギーを考えると、本当に被災された方々の苦労に心痛みます。
テレビを見ていると、困っている人の役に立ちたい…という純粋な思いから、若い人たちが自主的に呼びかけて、泥に浸かった家や、困ったお年寄りのところへボランティアにかけつけて片づけを手伝っている姿が映されています。
時はさかのぼって、江戸時代。
実は、江戸の町というのは何度もよく大火に遭っていたそうです。
小さな一間にかまどがついて、隣の家の声もよく聞こえるような長屋づくりが連なっている町では、炊事の火などが燃え移れば、あっと言う間に次々と火が回っていく…というのは、想像に難くありません。
でも、そんななかでも、人々は意外とあっさりケロッとしていて、火の手がおさまったとみるやいなや、どこからか家を建てる人たちがさーっとやって来て、あっという間に新しい家を建ててしまったのだそうです。
そして、皆そんなには深刻にならず、いつもニコニコしていて、皆で助け合いながら暮らしていたとか…。
それって、まさに日本人の特徴・本質を表していると思います。
質素だけど、明るく、まじめに、お互い助け合って、そういうDNAがあるのだ、と被災地のボランティアの様子を見たり聞いたりする度に思います。
時代が変わり、今はとても便利になりました。
プライバシーも尊重されています。
でも、何か横のつながりが希薄になってしまった感じがあります。個人情報とかいって、縦割り社会になり、お互い干渉しなくなって、楽になった面もあるでしょうが、少し温かさに欠ける気がします。
でも、全ては”過渡期”なのかも。
たぶん以前は過干渉だった面も、少し距離感が出たことで、ある意味そういうわずらわしさから解放されたのだとも思います。それが、今度は逆にしすぎで、寂しい思いをする人たちがいたりもするのでしょう…。
けれど、やがてはそれにも社会全体が気づき、本当の“やさしさ”に移行していくものだと…期待しています。
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