日本の食の未来は大丈夫…?
先頃、日米で新たな貿易協定が結ばれ、アメリカからの牛肉の輸入関税38.5%を、15年目に9%にし、豚肉4.3%の関税は9年目に撤廃、ワイン15%の関税は7年目に撤廃。リンゴ関税17%は10年目に撤廃、オレンジ関税32%は7年目に撤廃…。
ウーン、7~15年も先の話となると、今すぐにどうこうなるわけではないので、大きな騒ぎになっていないようですが…。
しかし考えてみると、畜産家や農家はこれからさらに高齢化が進み、しだいに後継ぎ問題に直面した時、これでは事業をやめていく人たちが増えるのは確実でしょう。
そうなると、ますます自給率は減り、命の糧となる食材を外国からの輸入に頼ることになります。
以前にも記したように、輸入小麦粉や果物はポストハーベストといって、船等での輸送に時間がかかるため、収穫後に虫がつかないよう殺虫剤をどっさり入れ、その上、最近はプレハーベストとして、収穫前にまでどっさり農薬を使うようになってきているので、輸入品はますます危険になっています。
今の国内農家の高齢化の実態、後継ぎ問題を考えると、ただでさえ問題多しなのに、このように関税が撤廃されていくと、ますます事態に拍車がかかるのは目に見えています。
しかも新しい食品添加物が次々に認可され、この10年で100種類近く増え、農薬の食品への残留基準も毎月のように次々と緩和されているとか…。
遺伝子組み換え食品では、表示制度が改悪され、消費者が表示をみて自分で選ぶことが難しくなり、ゲノム編集食品にいたっては、安全審査もしなくてよいと(!)決まったそうです。
それでいて、食中毒対策(ウイルスや細菌対策)には力を入れるということなのですが、むしろ、除菌抗菌のしすぎは、私たちにとって味方の細菌にもダメージを与え、免疫力の低下につながりかねません。(特に子どもたちは要注意)
殺菌に使われる塩素化合物は、それ自体が有毒物質ですし、化学反応を起こして、トリハロメタン、クロロホルムなどの発がん性物質を生成します。
目に見えてすぐ問題を起こすウイルスや細菌対策には取り組んでも、長い間かけて徐々に体に深い悪影響を与える食品添加物の問題には、むしろ規制緩和を行っているというのが、日本の現実です。
私は日頃から、少し割高でも省農薬・無農薬栽培した国産の野菜・果物を選ぶようにしています。鶏肉なども、80日間平飼いし、抗生物質は不使用、遺伝子組み換えしていないエサで育てたというものや、なるべく添加物を使わないことをモットーにした食材を取り寄せています。週一回の配達で、生産者の声も紹介されており、安心して使っています。
“命は食にあり”です。体を構成する食材は、少々高くても良質のものをぜひ使いましょう。
でないと、真心ある生産者たちが農作物を作り続けられなくなったり、高齢化で後継者へ事業を引き継いでいくことも難しくなってしまいかねません。
何とか正しい食材供給の希望の芽を摘まないためにも、私たち消費者が本当の正しい食材を買っていくことが大切です。
一旦途絶えさせてしまうと、再開させるというのは大変です。
日本の“食”を守るために、そして自分たちの健康を守るためにも、大事な“食”を外国産ではなく、できるだけ国産、それも本物のよい食材を選んで、守っていくようにしたいですね。
著者紹介