自費診療をやり続けて見えてきたこと【30周年ブログ3/3】
写真:特別な無垢材の床や漆喰の壁でしつらえた現在の待合室
前回のブログの続き
天の采配というか、自分の意志ではなく私がストレッチを教えなければならない状況に自然となっていき、気が付くと勝手に私の手や足が患者さんの悪い所にいくようになりました。患者さんは「痛い!」と叫んだりしていましたが、自分でもびっくりするほど皆さんが良くなっていきました。「こうして身体の歪みを取ることがこんなにも大事であったとは!」と改めて実感しました。
何年間もやり続けたお陰で、今も診察の時に体をみてパッと歪みが分かるので治療をする上ですごく役立っています。やっていて良かったと思っています。
気付くと診察が大好きに
時代の変遷は速く、昨今ますます加速しているように感じます。自分も歳をとってきたこともあり、コロナ禍で治療の時間を減らしました。以前は早く、速く、もっとしないと…といつも何かに追われていましたが、今はそういったものから解放され、以前より生活に余裕ができました。
ようやく…です!
ずーっといつも新しい医学の進歩に絶えず目を通し、その中で「これがいい!」となればその成分(サプリ等)を取り寄せ、今度こそ魔法のように効かないかなぁ…?と胸をときめかせ、もっといいものを探し続けてきました。もちろんこれからも絶えず新しい情報を入れるようにしながら進化し続けていきたいと思っています。
漢方をはじめとして、本当にあらゆることを私なりに試してきたと思います。ここまで来てようやく自分のやっていることに焦燥感もなく、治療に対して自信をもって挑められるようになりました。(でも人体はどこまでいってもブラックボックス。やはりいつも何故だろう…?と考えてはいます)
気が付くと診療が大好きになっていました。大体顔をみて、その人の醸し出している雰囲気をみて、その人の体の状態がピンと分かることも多くなってきました。さらに脈診・舌診などで、パッと見て分からなかった体のサインを加味し、症状を取り除きながら根本原因となるコアな部分に効かせる処方もしています。でも結局私の読みが合っているかどうかは、『私の出した薬を飲んで効くかどうか』『結果が出るかどうか』です。この推測と結果を繰り返し続け、自分のやっている診療の精度を上げていく努力を欠かさないようにしています。また人間は肉体だけでなく、魂や目に見えないいろいろな影響を受けて存在しています。なるだけそのあたりも読み込むようにしています。
自分自身を掘り下げていくということ
昔は診療をしたらぐたーっと疲れていました。今でも少しはありますが、昔のような感じではなく、逆に自分の魂?脳?が喜んでいるのがわかります。つくづく診療が好きなんだなぁー、私のやっているのは天命天職だと思っています。
「生きていくって面白い…!」
最近そう思うようになりました。歳を重ねると今まで見ていたのと違うものが見えてくるのです。人間は何層にもなっている…たぶん自分自身のことを掘り下げていくのが一番難しいかもしれませんね。
霊魂だけより肉体をもっているというこの不思議な地球に生まれて、この今しかない不自由な環境をどれだけ味わい、どれだけ経験して自分探しをしていくのか。この地球上で大変な思いをすること、苦しいことや嫌なことも何かを学ぶための教材だと思うと、とても貴重な体験をしているとつくづく思います。子供の時に埋め込まれた固定観念の枠を取り払っていろんな事象に捕らわれず、その奥に存在する真理をつかんでいく…やはり生きるということはとても面白いと思うのです。良いとか悪いとかに捕らわれるのではなく、いろんなことに惑わされることなく、自由な発想をキープしながらその奥にある真実をつかみ取っていく。歳を重ねることは、覚醒していくことなのだと思います。
本当にクリニックをオープンした当時とは自分自身も、薬の扱い方も、物事の考え方も、びっくりするくらい変わったと思います。
「人間って進化するんだ…うーん面白い」
診療を掘り下げながら、同時に自分自身も掘り下げていく…右往左往ありましたが、今は自分にピッタリの職業に出会って本当に感謝です。自費診療をしていてよかったとつくづく思っています。保険の枠に捕らわれず、必要とあらば身体の歪みをとる施術をすることもできるし、好きなようにいろんな処方を組み合わせ、配分もそれぞれにあった量を自由に選択できる。最近は点滴や注射も取り入れて、いかに老化に抗っていくかも探求しています。保険診療か自費診療か悩んでいたころは、全く今日の診療は思いもつかなかったですが、究めて自由にここまで来れたこと、これもやはり天の采配だったのでしょう!
著者紹介