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松本有記のこれまで

オリジナル処方へのこだわりと模索を続けて【30周年ブログ2/3】

写真:1995年震災の年、台湾にて-日本よりはるかに進化してる漢方を目の当たりに


前回のブログの続き
JR芦屋駅前のラポルテ東館に移ってから患者さんも増えましたが、当時はまだ自分のクリニック内で薬を調合できないので、院外処方を出していました。院外処方だと、今のように薬の種類や分量を工夫したオリジナル処方を考えたり、新しい漢方薬を扱うには何かと制約も多く、不便な思いをしていました。

「早く自分のクリニックの中に調剤室を持って、自由にいろんな薬の調合をしたい…!」

そんな時、近くにラポルテ北館が新しく建つことになりました。平成6年(1994年)9月、ラポルテ北館のオープンに合わせて、松本有記クリニックも移転しました。現在のクリニックの場所です。ラポルテ東館には約1年半いたことになります。

松本有記クリニック最初のホームページ

松本有記クリニック最初のホームページ

ようやく晴れて院内に調剤室を設け、完全に今のクリニックの原型が整いました。いろいろドタバタがあり、当初の予定より大きなスペースになりました。(最初は買い取ってくれの一点張りでそんな資金もなく、土壇場で借りることができたり、とまたいろいろなドラマがありました)

阪神大震災を乗り越えて

ラポルテ北館に入った翌年の平成7年(1995年)1月に阪神大震災に見舞われ、しばらく放心状態が続きました。この辺は丸3ヵ月以上、水がきませんでした。

「水がないってこんなに大変なんだ」
「いつ水が来るのだろう…」

とずっと待ち望んでいました。その頃、何を食べどんな生活をしていたかほとんど覚えていません…。

北館でのオープン当時のクリニック玄関

北館でのオープン当時のクリニック玄関

クリニックはオープン当初から軌道に乗り、多くの患者さんが来てくれました。
病院勤務の時より、患者さんに必要だと思われる生薬を選び、配合もそれぞれ考えて組み合わせたスペシャルな漢方――オーダーメイドのオリジナル漢方薬を処方できるようになりました。
一般的な漢方の処方はパッケージ化され、その配合を調整するということはできません。(例:葛根湯などのエキス漢方は既に配合が決まって販売されています。(漢方の煎じ薬と粉薬の根本的な違い:スタッフブログ参照)しかし、それぞれ患者さんの異なる症状に合わせて配合を変え、その時々にあわせて組合せも変えた漢方薬は驚くほど効果が感じられるのです。私自身も身体が弱かったのですが、そのスペシャル処方の漢方薬のおかげで良くなったので、
「一人でも多くの人を元気にするぞー!」
と意気込んで毎日必死に診療をしていました。

感じ始めた漢方だけの限界

その日からも、本当にいろいろありました。様々な試行錯誤をし、悩みに悩みぬいた日もあります。
そうして漢方の世界を突き詰めていきましたが、ある時から、いつの頃からかハッキリ分かりませんが、『漢方薬だけ』の限界を感じ始めていました。

「ある人には良く効くのに、どうしてこの人にはそんなに効かないのだろう…?」
もし自分の体調が万全だったらそこまで真剣にはならなかったと思いますが、自分自身の元気度も頭打ちを感じていました。

北館でのオープン当時の待合室

北館でのオープン当時の待合室

「どうしたら突破できるのかな…?」

また暗中模索が始まりました。

そんな時に出会ったのが、今でも皆様に推奨し、私自身も飲んでいる土壌菌を発酵させたサプリメントでした。最初に自分で試したところ、睡眠の質がぐーんと良くなって気持ち良く眠れ、お腹の調子も良くなり、よく食べ、よく眠れる。しかも何と体重が3kgほど落ちてスリムになりました。

「サプリメントも、バカにできない…」

とその効き方に感銘を受けたのを覚えています。

またもうひとつは、体の歪みを取りながらストレッチするヨガ体操のようなもの、メディカルストレッチです。その頃、ひどいぎっくり腰を経験して、もっと真剣に自分の体の使い方を考え、向き合っていかないと、と思うようになりました。以前から、卓越したヨガの先生について習っていましたがあまり真剣にせず適当にやっていました。これではいけないと思い、それから真面目に取り組むようになりました。漢方やサプリといった体の内側からだけでなく、体の歪みという外側からも凄く影響するんだという事に気付き、いつしかストレッチの本質みたいなものが身についていきました。

いろいろな経緯があり、まさか自分がそんなことをするなんて夢にも思ってませんでしたが、2007年くらいから患者さんへマンツーマンのストレッチ指導を私自身が行うようになります。オリジナルの体操メニューを考え、個々の歪みをとり、ストレッチを組み込んだワンセッション2時間コースの施術を週に2回行っていました。そのうちの一日は朝から夕方まで2時間を3セッション、もう一日は午前中診療をして、午後に2セッション。スタッフ1名と私に対し患者さんは2名の完全マンツーマンです。クリニックではスペースがとれないので別院へ車で送迎をして、相当なパワーをかけてやっていました。(スタッフの妊娠や私の年齢などの関係で、2021年春を最後に、現在は行っておりません)

(次回へ続く)

漢方薬からサプリ、ストレッチとの出会いについて詳しい経緯は下記のブログをご参照ください。


著者紹介

松本有記(まつもと ゆき)
松本 有記
(まつもと ゆき)

松本有記クリニック院長
自身が何十年にわたる体調不良に悩まされ、健康を追及していくなかで、東洋医学と出会い、オリジナルのオーダーメイド漢方薬、サプリメント、メディカルストレッチなど、全て自身が効果を実際に体感し、結果を出すことをモットーに、独自の治療スタイルを確立。生活習慣から姿勢指導、心のもち方まで幅広い角度からの診療を行っている。京都薬科大学卒業、神戸大学医学部卒業、兵庫医科大学病院(皮膚科/内科)、県立尼崎病院東洋医学科(非常勤)、尼崎永仁会病院漢方専門外来、松本有記クリニック院長
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