自分に本当に合う漢方薬に出会うまで①
こんにちは、スタッフの松本です。(※有記院長ではありません)
今日は、私の実体験を元に『自分に本当に合う漢方薬に出会うまで』のお話をしていきたいと思います。
先日より婦人科系の調子が悪く、数年ぶりに院長に漢方薬を処方してもらいました。
漢方薬といっても当院でお出ししているものは主に2種類あります。
- エキス剤(粉薬) … 決められた内容・分量の漢方を工場などで煎じ、抽出された液体をエキス(粉)化したもの。有名なもので葛根湯など。
- 煎じ薬 … 生薬(植物の葉、根、花、実や動物性のもの、鉱物などの自然素材等)を煮出して作る液体。エキス剤に比べ、一味一味細かく処方できるのでより深く、個人に合わせた処方ができる。
今回はこの「煎じ薬」のお話です。
初めての場合は7日間くらいから様子をみる方がいい
まず、こちらは初診の方にもよく聞かれる質問です。
「お薬は、最初は何日分くらいからいただけるのでしょうか?」
「初診時から、1ヶ月分のお薬をいただくことはできますか?」
こういったご質問には以下のようにお答えしています。
→「初診の方には7~14日間分くらいの日数でお渡ししております」
初診の場合、約45分かけて院長が診察を行います。
『その時のその方の一番治したい症状』を聞き、それに合った処方を考え薬をお渡しします。もちろん院長はその時にベストだと思う処方をしますが、それが完全にその方に合っているかどうかは飲んでいただかないと分かりません。またたとえ合っていたとしても、他の反応が出る場合もあります。
ですので、最初から30日分など長期間の漢方薬をお出しすることは原則ありません。また『最初の漢方薬がどんな効き方をしているか』の確認がとても重要なので、はじめのうちはきちんと毎日飲んでいただき、2回目の再診もお越しいただくことが大切です。
というのも私の場合、『自分に合っている煎じ薬』に出会うまで、4回処方が変わりました。
主訴は確かに良くなっている、けど別の症状が…
1回目の煎じ薬を処方してもらい、7日間飲みました。私の婦人科系の主訴には何となく効いてるようでいい感じでしたが、3日目くらいから別の症状として、便秘になってしまいました。
2回目、便秘になったことを伝え、処方を変えてもらい、7日間飲みました。すると今度の煎じ薬はとてもまずく苦く、胃にきました。(※漢方薬は胃にくることが多いです。当院では原則、食後20~30分後に飲まれることをおススメしています)便秘はおかげさまで無くなりましたが、今度の漢方は胃にきました。
3回目、また処方を変えてもらい、7日間飲みました。そうすると今度は夜の寝つきが悪くなりました。私は元々、夕方以降にカフェインの入っている飲み物を飲むと全然眠れなくなるタイプです。18時以降にほうじ茶を少し飲むだけでも眠れません。一般的にみても眠りに関してはかなり繊細なタイプだと思うので稀な例だと思いますが、とにかく、便秘は治り胃にもこなくなり主訴にも効いていますが、眠りが悪くなりました。(ちなみに「漢方薬で眠れなくなった」という話はあまり聞かないので、レアケースだと思います)
この時は、いつも夕食後に飲んでいた煎じ薬を朝飲むようにして対応しました。ただ、院長いわく「眠りにくくなる薬は全く入れていない」とのことでしたので、何に反応したかは未だに分かりません。
4回目、そろそろ私の細かい訴えに院長が顔をしかめだす頃、眠れなくなる原因が分からないままとりあえず処方を変えてもらい、さらに7日間飲んでみました。すると、やっと出会えました。
『自分に合った煎じ薬』
次回は、『人間の体は思ったより複雑で魔法のように簡単には治らない』とよく院長が言っている話も踏まえた、『自分に本当に合う漢方薬に出会うまで』の続きのお話しをしていきたいと思います。