第8回ゴールドセミナーご報告 「検査値の正しい読み方」
こんにちは、スタッフの牧です。
アップする頻度が低い…のもあり、今回もボリューミーになってしまうこと、お許しください<(_ _)>
前回に引き続き、9月18日(金)開催の第8回ゴールドセミナーについてです。
今回のテーマは「検査値の正しい読み方 ~盲信してはダメ!検査では一部しか分からない~」でした。
各種検査は現在の自分の状況が数値としてはっきりとあらわれるので、目に見えて分かりやすいです。検査結果が何かしらにつながることも勿論あるでしょう。
しかしその反面、数値にはあらわれない情報もたくさんあります。
検査のような“西洋医学は「客観」”、また前述の診察方法から“東洋医学は「主観」”とセミナーではご紹介いたしました。
確かに東洋医学の場合はそんな主観もしっかりとすくって考えていきます。例えば、疲れやすい・血流の良し悪し・落ち込んでいたら気持ちの停滞などなど。それらは検査結果には反映されませんが、その辺りは東洋医学の得意分野であるとも言えます。
セミナー内では血圧やコレステロール値の見方を詳しくご説明しましたが、今と昔とでここまでなら大丈夫というボーダーも結構変わっていたり、欧米と国内での常識が違っていたり、意外と世間で常識とされているけれど……(ネタバレになるのでここまで!)とお話しいたしました。
ところで院長自身のエピソードを例にしてみますと、高校生の頃に水泳飛び込みで首の後ろを強打したそうです。当時もひどい痛みに襲われたそうですが、問題はそこから6年ほど経った頃から、強烈な右の肩凝りが出始め、全く下を向くことが出来なくなったとのこと。
その当時、院長の伯父さん(※この方もお医者さん。医師を目指そうとした時に“自分が一度決めたことは最後までやり遂げなさい”という言葉を院長にかけたキーパーソンです(院長拙著にも登場))の紹介で、大学病院の整形外科の教授に丁寧に診ていただいたそうですが、予想に反して何も出なかったそうです。
しかし今、東洋医学的に考えると全てつじつまが合うようで、結局は当時の強烈な打撲が後々に影響していたのです。他にも例えばこのような打撲などのケガ、交通事故の身体へのダメージはその瞬間も相当のものですが、実はブランクがあいて忘れた頃に何かの症状となって出てくる場合も往々にしてあるとのこと。(以前のスタッフブログでも似たような記事を上げていたので気になる方はこちらを)
これに限らず、ご本人でもその家族なり周りの方の(確かに検査結果には出ない…でもやっぱり何かおかしい……)ということは世の中に沢山あるのではないかと思います。
東洋医学では、このような(何かおかしい)というものも大切にしていますし、先程の主観にも含まれるかと思います。
つまり検査結果だけが全てでもなく、検査にひっかからなかったから万事OKという訳でもないのです。(今回のサブテーマ ~盲信してはダメ…~ と言うのはこんなところにあるのではないでしょうか)
仮に検査でひっかかったとしても、ただひっかかっただけではなく、なぜそうなったのかの原因だったり今までの生活習慣等を振り返り、改善していかないと結局は繰り返してしまったり…また残念ながら、手術をしたからといって全部が完全に治った訳でもないかと思います…。
こんな時、院長の過去の講演などでもよくご説明している “上工・中工・下工”の話が思い出されます。
中国の古典医書の話ですが、
【上工(じょうこう)】 は病気がまだ生じていない(未病)時に治療するので、病気の芽がめばえるときにそれをとめる様にする…まさに先手必勝。病の芽を事前に摘みとっていきます。
【下工(げこう)】 は病邪が襲ってきたもの、その病状が盛んになったもの。もう自分の力では治せず、手術するしかない状況です。
テレビでよく神の手、スーパードクターと呼ばれている先生がたまに特集されていますが、この上記の中国古典の考え方だと……〇工に入るそうです。
余程の事がない限り、なかなかスーパードクターとはご縁はないとは思いますが、私たちも普段からお医者さんになるべくお世話になることがない様、自分自身でケアしていこう!という意識も意外と大切なのではないでしょうか。
【中工(ちゅうこう)】は上工・下工の中間と思っていただいたら良いでしょう。
手術は最後の最後の手段だそうですし、院長がよく話している川上医療・川下医療という言葉とも重なり、予防医学の大切さを感じます。
それより、検査でひっかかるということは組織変化が一体いつから始まっていたか?です。世間では意外と見落とされてしまっているのではないでしょうか。
例えば乳がんだと、検査にひっかかる最小サイズの1cmになるまで約15年もかかるそうです。ただ検査にはあらわれない初期段階でしたら、基本的には手術をせずとも治していく方向に充分導いていくことが出来るとのことです。
たまに大病が判明した際、人によっては「実はこれまで全く症状がなかった…分からなかった…」とおっしゃる方も勿論いらっしゃるとは思いますが、そうなる前に例えばずっと無理をおしていたり、激務をこなしていたり、強いストレス下にさらされていなかったのでしょうか。中には不摂生の賜物みたいなケースもありますし、振り返るとそうなるきっかけや原因がきっとどこかにあった筈です。
なぜ、病気になるのか?本当に複合的な要素が複雑に絡み合って起きています。
検査から得られる情報やそこから気付けることももちろんあります。
しかし検査からは得られない多くのことにも、私たち自身が日頃から意識を向けていくことが実は大切ではないかと思います。
…一番の名医は、患者さんお一人おひとりなのです。(よくお世話になっている歯医者さんのコトバより(笑))
次回、第9回は10月16日(金)となります。
秋も深まって参りましたがゴールドセミナーもいよいよ終盤にさしかかって参りました。
今月と来月の2回にわたって「漢方 総論・陰陽五行論 ~宇宙、自然のしくみで健康がわかる~」についてお話しいたします。
どうぞお楽しみに!
記事とは全く関係がありませんが、モンテメールの屋上より芦屋駅周辺を臨む。
竹園ホテルとラポルテ東館の間にちょこっとのぞいている建物(赤の矢印)が当院の入っているラポルテ北館です。(無印良品のあるフロアから一つ階を上がって屋上へ出てみるとこんな景色が…)