『砂糖』『糖質』について考える~甘い誘惑に負けないで~①
昔、砂糖は日本では貴重品で、薬として扱われていました。
ときには、病人のお見舞いに持っていったりしていたのです。
砂糖のなかでも、砂糖本来のミネラル、ビタミンを多く含んでいるのは、黒砂糖、キビ砂糖、てん菜糖などです。
ただ最近は、加工黒糖(本来の製法とは異なり、水あめを添加し調整)や、安価な輸入品に糖蜜を混入したものもあるので要注意です。
最も精製されているものはグラニュー糖で、ショ糖の純度が高く、99.9%以上あります。(すなわちミネラルはほとんどゼロ…)
あるデータでは、砂糖の消費量が一番多いのはブラジルで172g/日、アメリカは89 g/日、日本は45 g/日、中国31 g/日となっています。
砂糖は、煙草やアルコールなどと同じく依存性があるともいわれ、だんだん摂取量が増えていきやすいので、気をつけないといけません。
昨今のスイーツブームをみても、しだいに量が増えてしまいがち…というのは、うなずけますね。
日本人は欧米人と違って、耐糖能(甘いものをとった時などに、血糖値を正常まで下げる能力)が弱く、欧米人と同じように砂糖をとっていると、2倍くらい(と、昔学生の時に聞きましたが…)糖尿病になりやすいと言われています。
このままのペースで砂糖をとり続けていると、将来、糖尿病が増えるのでは…と案じられます。
※糖尿病は血管がやられる病気です。最も大切な血管がじわじわと壊れていきます
ただ、ここで言っているのは『砂糖』の話であって、近頃いわれる“糖質制限”の“糖質”とは根本的に異なります。
※“糖質制限”では、お米やパンなど穀類も“糖質”としますが、そうした穀類などのことではなく、ここでは砂糖・スイーツのことを指しています。
東京大学の実験では、ヒトの胃に“糖”が入ると胃の動きが止まることが、実証されました。
被験者に砂糖水を飲ませると、約10秒間、胃腸の動きが完全に静止。
塩水を飲ませると、逆に動きが活性化したそうです。(角砂糖の1/4~1/5くらいの量で起こるそうです)
糖をとらせて細胞の動きが緩慢になる反応を、東京大学では“糖反射”と名付けていますが、このメカニズムはまだ解明されていません。
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