西洋医学と東洋医学の違いのお話 ~気の概念~②
前回(西洋医学と東洋医学の違いのお話 ~気の概念~①)の続き
また、漢方の考え方に『陰と陽』という考え方があります。
- 陽はエネルギー (眼にみえないもの)
- 陰は陽を生むモト (眼にみえるもの)
車に例えると…
- 陽は車が走ること
- 陰はガソリン
にあたります。
すなわち、ガソリンは車が走るための燃料になります。
この、陰陽のバランスをとることがとても大切なのです。
陽の強い人はハイになりやすく、活動的です。
若い時は問題ないのですが、年をとると陰が減ってきてるため、
(年をとることは枯れてくるので潤い成分が減ってくる、すなわち陰が減ってきます)
陽が優位になりやすく、血圧が上がりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞をおこしやすくなります。
(陽は火と考える、火は上にあがるので)
ただ、もともと陽の弱い人、つまり「あまり元気じゃない人」は、やや生活の仕方がスロウなため、そんなに陰陽のバランスが崩れないので、年をとっても高血圧とかにはなりにくいのです。
なので安易に元気な状態を維持するためにカフェインをとったり、強壮剤をとったりしているのは危険な行為です。
私はよく「健康と元気は違う」といっていますが、ハイな人は氣をつけた方がいいですね。
ちなみに、陰を減らさないためには…
- 良質な睡眠をきちんととって身体を休ませてあげること
- 地黄(じおう)の入った漢方薬をとること
※当クリニックでは六味丸に黄精を入れて固めた『食べる漢方』を食べてもらっています - 潤いを保持するのにフコイダン(海藻からとったもの)をとること
※相乗効果でまた保湿性があがります
大体このような感じで陰を減らさないように気を付けています。
年をとってくると、意外と誰でも「陰虚(陰が減った状態)」になってきます。
陰虚にさせないことが、寿命を延ばすためのカギとなっている気がします。
著者紹介
松本有記クリニック院長
自身が何十年にわたる体調不良に悩まされ、健康を追及していくなかで、東洋医学と出会い、オリジナルのオーダーメイド漢方薬、サプリメント、メディカルストレッチなど、全て自身が効果を実際に体感し、結果を出すことをモットーに、独自の治療スタイルを確立。生活習慣から姿勢指導、心のもち方まで幅広い角度からの診療を行っている。京都薬科大学卒業、神戸大学医学部卒業、兵庫医科大学病院(皮膚科/内科)、県立尼崎病院東洋医学科(非常勤)、尼崎永仁会病院漢方専門外来、松本有記クリニック院長