春は難しい季節?東洋医学からみた春とは①
春は桜が象徴するように、グレーで無彩色のイメージの冬から、ピンクの華やいだ季節に変わっていき、私たちもウキウキとした気分になったり、活動的になってくる時でもあります。
でも実は、体調的には難しい季節なのです。
春は “陰(冬)” から “陽(夏)” への移行期であり、
冬=夜、夏=昼と考えると、まさに春=朝に相当します。
朝は、起きるのが大変だったり、起きてもまだボーっとしていたり、と一日のうちでも切り替えを必要とする難しい時なのです。
けれど、夜に良質の睡眠をきちんととっている人には、朝起きるのが楽だと言えますね。
木は木の芽を出し、虫は啓蟄(けいちつ)と言って、地中でじっとしていたのが地表に出てくる、その時が、春です。
“陽”はエネルギーを表に出してくるのです。
「さぁ始めよう」「さぁ起きよう」とする、物事のスタートの時が春なのです。
日本では昔から新学期は春から始まりますが、それはまさしく自然のサイクルと一致しています。
色でいうと「青」にあたります。(東洋医学の五行の分類です)
普段使う日本語でも、「青春」「青年」「おしりが青い」などの表現は、熟す前の未熟な状態を表していますね。
春は「朝」「東」(朝、太陽が昇るのは「東」から)で、そして五行で分類すると「木(もく)」にあたります。
内臓的には「木(もく)」は「肝(かん)」に相当し、また関係の深い感情は「怒」です。
春は「肝」が旺ずる(盛んになる)ので、イライラしやすくなります。
著者紹介
松本有記クリニック院長
自身が何十年にわたる体調不良に悩まされ、健康を追及していくなかで、東洋医学と出会い、オリジナルのオーダーメイド漢方薬、サプリメント、メディカルストレッチなど、全て自身が効果を実際に体感し、結果を出すことをモットーに、独自の治療スタイルを確立。生活習慣から姿勢指導、心のもち方まで幅広い角度からの診療を行っている。京都薬科大学卒業、神戸大学医学部卒業、兵庫医科大学病院(皮膚科/内科)、県立尼崎病院東洋医学科(非常勤)、尼崎永仁会病院漢方専門外来、松本有記クリニック院長